「沖縄を訪ねて2」~わらび細工に出会う~

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沖縄だけでなく、日本各地にあったシダを編んで作る籠。
沖縄ではわらび細工と呼ばれています。
水に強く、耐久性があって、経年劣化が少ないので何十年も使うことができるかごです。水に強いので、食器の水切り籠としてや、ザルとしてつかったり、風通しのいい所にぶら下げて、食品を入れておいたり、生活の中にあたり前にあった民具でした。
戦前には沖縄の各地で作られており、現金収入を得るために集落の女性の大半が携わっていましたが、今では今帰仁村の今泊という集落に住む3人の高齢の女性とその息子さん1人の4人になってしましました。
プラスチックに活躍の場を奪われたこと、山が少なくなって自生するシダを取るのが大変になったこと、作り手が高齢になったことなど、手仕事の世界の厳しい現状です。
そんなことで生産量が減った為、身近な民具は、今では高級品になってしまいました。作られたものの大半は都会のショップに買われていきます。実は私も都会のおしゃれなギャラリーで知ったのですが。
そんな現状を聞いていたので、沖縄では出会えないかも?と思いながらも、もしかしたらあるかも?という小さな希望を胸に今帰仁村を訪ねました。
今帰仁村のお店で聞いてみると「あ~、今は季節じゃないからないよ」「入らないよ」ということでがっくり。季節じゃないと言われたらもう希望は消えたように思いました。
その店の外でフリマをしていた女性と立ち話をして、わらび細工を探しにきたけどなかったことを伝えたら、作っている人の家を一軒知っているよとのことです。おお!おお?OH~。
でも、電話番号は聞いてないし、突然知らない人が訪ねたら困るよねえ・・どうする?・・・よし、行ってしまえ!
「あの~すみません、〇〇さんのお宅ですか?私たちわらび細工を見てみたくて・・」突然の訪問にも「はいはい」と快く迎えてくれたおばあさん。99歳で以前はわらび細工を作っていた方です。
今はその息子さんが作っているのですが、「今作りかけのものが3つあるから夕方にまたおいで。」と言ってくださいました!
やさしい。温かい(泣)
喜びが体からスプラッシュ!!世界がピンク色に見えました。
そんな顛末の末、私の元にやってきたわらび細工。
もうかわいくてかわいくて。
一生大事にしますね!おじいさん、おばあさん!
小林